「社会経験がないので履歴書に書くことがない…」
「空白期間を、どうやって言い訳すればいいか分からない」
私は既卒で就職活動をしましたが、始めに困ったのが履歴書でした。
「就活に履歴書はとても重要」とは聞きますが、書き方を一度たりとも教わったことがありません。そんなに大事なら、なぜ義務教育で教えてくれなかったんだと一人憤慨していましたのを覚えています。
現在既卒で就活をされている方は履歴書の書き方や、空白期間の埋め方に悩んでいませんか?
でも、心配はいりません。
履歴書の書き方にも定番の形があり、それに沿って作成すれば、既卒でも採用担当者に好印象を与えることができるのです。
「既卒で履歴書の書き方が分からない」という方、「書類選考でいつも不採用になってしまう」という方はぜひ参考にされて下さい。
職務経歴書の書き方が分からない方は、フリーター・ニート向けの職務経歴書の書き方。アルバイト経験のみの見本テンプレを参考にして下さい。
フリーターの職務経歴書の書き方
「アルバイトの経験しかなくて、職務経歴書に書くことがない」 「卒業してから資格勉強のため一度も働いていないから、職務経歴書が書けない…」 「短期で数回仕事を変えているのって、職務経歴書に書いたら不利に ...
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履歴書は『手書き』で丁寧に正確に書こう
最近、ある起業家のツイートがきっかけで「履歴書は手書きかPC(パソコン)で作成か」が話題になりました。
新卒採用では大企業を中心にウェブサイトからのみエントリーを受け付ける流れから、PCでの履歴書入力も一般的になりつつあります。
しかし、私は手書きでの作成が基本であると考えています。
その理由は手書きを重視している採用担当者の多くが、それを「人物評価」につなげているからです。丁寧に書かれているか、正確に書かれているかによって、性格や能力を推測し合否の判断材料にしています。
職歴がなかったり、アルバイト経験しかない人の就職活動では、まず仕事に対する意欲と社会人としての基本的なマナーが身についていることをアピールしなければなりません。
そのためにも手書きで作成し、文字でそれらをアピールすることを考えましょう。
履歴書を書く準備 用紙は『JIS規格履歴書』
市販されている履歴書用紙には様式な様式があります。
なかには職歴や資格の欄の大きさを変えた転職者用や、学生生活についての欄を設けた新卒・アルバイト用などもあります。
通常、使用するものは『JIS規格履歴書』と呼ばれる、職歴、資格、志望動機の各記入欄がバランスよくまとまっている用紙でよいでしょう。
そして、筆記具はインクのにじみやかすれのない「ゲルインキ」ボールペンをお勧めします。インクの色は黒です。
鉛筆やシャープペン、消せるボールペンは使用しないでください。
履歴書のプロフィール欄は正しい表記で
手書きの場合、へたな文字を気にする人がいますが、それは個性として割り切るしかありません。
それよりも「丁寧に、正確に書こうとしているか」が大切で、その気持ちも文字に表れます。
丁寧な記入の第一はバランスです。それぞれの記入欄の幅に対し、文字列の幅が8割程度を占めるように文字の大きさを合わせて書くようにしましょう。
そして、ひらがな、数字、アルファベット、○印など画数の少ない文字こそ丁寧に書きましょう。これらの文字は読み間違いなどが起こりやすいため、仕事においても丁寧さが求められると認識しましょう。
正確さは氏名の文字や住所表示などに求められます。
旧字体の文字も略すことなく書きましょう。さらに番地表示も、例えば「1-2-3」ではなく「1丁目2番地3号」のように、できるだけ住民票の地番表示と同じように書きましょう。さらにアパートやマンション名も略さず書きます。
証明写真はスーツで
証明写真はスピード撮影機で撮ったものでも構いませんので、無背景、無帽で撮影したものを使います。服装はスーツ姿が望ましいですが、それ以外の服でもあまりラフでない服装を選びましょう。
顔写真も大切な「第一印象」となりますので、整髪にも気を遣い、無精ひげや過度な化粧やアクセサリーも控えましょう。
履歴書の学歴欄と職歴欄 空白期間の書き方
中退の場合は「中途退学」と書きます。
理由を書く必要はありませんが、もし中退の事実を書かないと、学歴詐称ということになってしまいます。
職歴欄は基本的には正社員としての入社と退職(退社)の履歴を記載します。
退社については「一身上の都合により退職」や「会社都合により退職」など理由も簡潔に併記します。最後には「以上」と書きます。
学生時代のアルバイト経験は職歴にはなりませんが、最終学歴以降のアルバイト経験は記載することができます。アルバイトによってどのような職務を経験したかがわかるように、社名のほか業務内容も書きましょう。
ニートの方は空白期間を意識するあまり、空欄を無理に埋めようとか、言い訳じみたことを書こうとしますが、必要ありません。
書類選考には一定の基準が設けられているので、どれだけ上手に空白を埋めようとも、基準に引っかかれば不採用となります。
逆に空白があっても、志望動機欄さえしっかり書けていれば面接で話を聞いてみようとなります。
勿論アルバイト経験をアピールするのはおすすめです。
志望動機には「なぜこの業種か」「なぜこの会社か」「どんな仕事をしたいか」を入れる
志望動機は企業が最も重視する項目です。
面接でも同じ質問がされますが、書類選考での評価や面接でアピールの機会を得るためにも、自分の適性や意欲をしっかり伝える文章を書く必要があります。
志望動機のポイントは3つ。
- なぜこの業種を選んだか
- なぜこの会社を選んだか
- どんな仕事をしたいのか
これらを含めて300文字から400文字程度にまとめなければなりません。
①業種選びの理由に「好きだから」は通用しません。職業として長く働き、生活を充実させるには、その企業だけでなく業界の将来についても考える必要があるからです。
将来への伸展性とやりがいをアピールしましょう。
②企業選びの理由には企業研究が不可欠です。それは会社案内などの受け売りだけではなく、自分にとっての魅力的な会社は何かを示さなければなりません。
③仕事については、目指す職種に求められることと仕事としてのやりがいをアピールします。
履歴書の志望動機の例文
例:食品メーカー製造職「私が食品業界に興味を持ったのは、栄養や健康はもちろん、食育や家族のコミュニケーションなど、私たちの生活に広く関わる仕事だと知ったからです。
そのなかで貴社は食の安全はもちろん、お客様のニーズを製品開発に活かすことにも積極的であることを知り、魅力を感じ志望いたしました。
食品製造職は衛生面や品質など、多くのお客様に対する大きな責任が求められます。
私はこれらを確実に実行する自信と地道な努力で、貴社のお役に立ちたいと思い志望いたしました。」
趣味・特技欄は具体的に
趣味や特技がないという人は案外多いものです。だからといって無難なことがらで記入欄を埋めてしまうのも勿体無いことです。
趣味や特技で合否が決まることはほとんどありません。
しかし、もし面接で趣味や特技について質問されたら、面接官があなたに対して興味を持っているということであり、自己アピールのチャンスでもあります。
たちえば、趣味を「音楽鑑賞」とするなら、さらに好きなジャンルなどのエピソードを簡単に書いて、面接官の興味を引き出すきっかけにしましょう。
例「音楽鑑賞(吹奏楽部の経験があり、ジャズミュージックを聴くことが多いです。)」
特技についても書道や武道などの資格(段や級)、学生時代の部活動での実績など広く考えて書いて見ましょう。
例「剣道二段(中学・高校と柔道部に所属し、インターハイ県大会に出場しました。)」
どうしても、思いつかない時は潔く「なし」とします。嘘や誇張は評価を下げてしまうからです。
本人希望記入欄は「貴社の規程によりお願いいたします」
基本的には求人票に記載された労働条件を理解したうえで応募しているので「貴社の規程によりお願いいたします。」と記入します。
ただし、複数の職種や就業場所が示されている場合はその希望を、さらにどうしても叶えられなければ入社が難しくなる条件があれば記入します。
例1「同居している母親の介護があるため、通勤時間が片道1時間以内の就業場所を希望します。」
例2「自動車運転免許を所持していないので、公共交通機関で通勤可能な就業場所を希望します。」
既卒が履歴書で重視すべきこと
履歴書は企業にとって応募者多数の場合の選考資料として、また面接では質問の参考資料になります。そして、応募者にとっては自分の適性と意欲を直接アピールできる書類になります。
応募から合否の判定まで、履歴書はあなたの代わりに採用担当者の前に立ち続ける「分身」です。作成にはできるだけ力を注ぐようにしましょう。
履歴書はあなたのこれまでの経験をまとめたものですが、採用担当者が知りたいことはあなたの「過去」ではなく「未来」です。あなたがどのような働きをし、企業の成長に貢献することができるかを測ろうとしています。
現実の仕事に学歴や職歴はほとんど関係ありません。さらに若者の離職率は相変わらず高い状況です。したがって面接では履歴書に書かれた内容の「その先」を質問してきます。
履歴書は文字を埋めるために考えるのではなく、丁寧さと正確さを意識しながら、仕事への意欲を示し、面接への受け答えにもつなげることを考えながら書きましょう。
書きあがった履歴書は一度、身近な人に読んでもらうことを勧めます。他の人の評価はあなたの就職活動をレベルアップするために最も役立つことだからです。
フリーターの職務経歴書の書き方
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