就職面接で『志望動機』を尋ねられた時、どのように答えていますか?
面接で必ず質問されるのが、「当社を志望した理由はなんですか?」「この仕事を選んだ理由はなんですか?」という志望動機。
面接の中でも難易度が高い質問の1つです。
就活前までニート生活を送っていた私は、自分の経歴では職業を選択する余裕なんて無いと考え、多くの企業に無作為に応募していました。
「数撃てば当たる」と考えて応募していたので、志望動機など一切無かったのです。
その結果、面接ではことごとく失敗をしました。
「なぜクリーニング屋で働きたいと思ったのですか?」という質問に対し、「パスタが大好きで、よくシャツに飛ばしていたことから、クリーニングの大切さを知り、自分も働きたいと思うようになりました」等という、星新一もびっくりする大どんでん返しの理由を語っていました。
今冷静になって見るとひどいものですが、当時は真剣でした。
私ほどではないにしろ、正社員経験がない方は、志望動機に頭を悩ませているのではないでしょうか。
でも安心して下さい。
志望動機にはポイントがあり、そのポイントさえ抑えておけば、好印象を与えることができるのです。
今回の『職歴なしの志望動機』は、上場企業の人事担当者の方に解説していただきました。
この記事の内容
今記事の対象者は「職歴がなく企業応募時の志望動機が思いつかない・面接での回答が分からない」という方です。
ここでは、仕事歴なしでどのように志望動機を作成すれば、このチャンスを逃さず、正社員としての採用を勝ち取れるのか一緒に考えていきたいと思います。
例文やNG文面などもご紹介しますので、参考にされて下さい。
志望動機に盛り込むべき3つの『なぜ』
まず、仕事歴なしである場合、志望動機に盛り込むべき内容としては、「なぜ、正社員として就職していないのか」という点です。
私たち企業側は、既卒・フリーター・ニートになってしまったことよりも、何が原因で正社員として就職できなかったのか、そして、その現実をどのように受け止め、それに対してどのような改善策を考え、行動してきたのかを知りたがっています。
したがって、自身の反省すべき点、改善すべき点があれば、正直に志望動機に盛り込み、それを克服しようと取り組んでいることをアピールするべきだといえます。
まず、先にご紹介した部分を頭に入れながら、既卒・フリーター・ニートである期間に資格の勉強や留学していたなど、前向きな経験があれば、必ず盛り込むようにしてください。
また「なぜ、その会社なのか」「なぜ、その職種なのか」という点とともに、仕事歴なしのハンデを乗り越えるには、自身の長所と応募企業の利益を結びつけるという流れも大切です。
今、ご紹介したような点を自身の経験に当てはめていけば、志望動機の大枠はできあがっていくはずです。
参考:職歴なしの転職サイト「書類は『丁寧』かつ『論理的』または『エモーショナルな文章』を」
志望動機の例文とポイントを解説
(例文1)
私は、大学時代の就職活動では就職できず、フリーターとなりました。学生時代は企業研究や自己分析をしっかりと行わず、働くことに対して真剣に向き合っていなかったことが原因だと考えています。
フリーターとなってからは、やりたいこと、自身にマッチした企業を徹底的に研究し、私の強みである細かな気配りが活かせる仕事は、御社の総務職だという結論となり、志望させていただきました。
仕事歴なしですが、精一杯頑張りますので、宜しくお願い申し上げます。
(例文2)
私はこれまでアルバイトをしながら、公務員を目指していましたが、3年間で結果が出なかったことから、民間企業への就職を目指しています。
私の強みは、積極的な行動力です。フリーター時代、お客様アンケートで6ヶ月連続トップを取ったコミュニケーション能力を御社の営業職で活かせると思います。
未経験ではありますが、御社でもこの強みを活かして、一日も早く戦力となれるように頑張って参ります。
(例文3)
私は、学生時代に就職が上手くいかず、その後、次のステップに踏み出すことができませんでした。
しかし、このままではダメになると危機感を抱き、まずは、自分のやりたいことをしっかりと見つめ直しました。
その結果、お客様と接する販売の仕事に就きたいと考え、入社してから仕事が合わなかったという結果にならないように、販売のアルバイトを6ヶ月経験しました。
その中で、販売職が自身にマッチしていると確信できましたし、また、販売業界の中でも御社の仕事内容に大きく魅力を感じ志望しました。
アルバイトを通じ、お客様の立場に立って仕事のできる人材だと自負していますので、ご検討を宜しくお願いします。
「志望動機が思いつかない」時はどうすればよいか
仕事を無理矢理選んだ場合、どうしても志望動機が浮かばないといったケースがあります。
その場合、学生生活やアルバイト経験をネタに考えましょう。
例えば、急なシフト交代に応じていたのであれば、協調性があり、気配りができる人物だと評価される可能性がありますので、事務職などの志望動機に繋げることができます。
また、アルバイトや学校生活の中で無遅刻・無欠席を達成したことがあるなら、時間管理がきっちりした人物だといえますので、あらゆる職種の志望動機に繋げていくこともできます。
志望動機でのNG
私は、学生時代に就職が決まらず、その後、フリーターとして3年間勤務してきました。
ただ、年齢も25才となり、早く正社員として働きたいと感じ、その中でも以前からの希望であった営業職を募集していた御社を志望しました。
精一杯、頑張りますので、宜しくお願い申し上げます。
NGな部分としては、「なぜ、フリーターになったのか」「なぜ、営業職なのか」「どのような点が自身の強みなのか」など、採用担当者が知りたい部分が含まれていない点です。
採用担当者の印象に残るようにするには、このような点も意識しながら、志望動機を作成していきましょう。
ここまで仕事歴なしでの志望動機について考えてきました。
前職があれば、積み重ねてきたキャリアやスキルを中心に組み立てていくべきですが、その点を膨らますことができない以上、これまでの反省、失敗から得た教訓、自身のポテンシャルを中心に志望動機を組み立てていくことが大切です。
今置かれている状況を不利だと思わず、前向きな気持ちで就職活動に取り組んでください。
今は多くの企業が人材の確保に苦しみ、必要な人数を確保できない状況が続いていて、仕事歴なしの既卒・フリーター・ニートでも正社員として、十分に採用の可能性があるといえます。
また、新卒時代に正社員として就職ができず、既卒・フリーター・ニートになったのだとしても、挫折を経験している点を評価する企業もあります。